八ヶ岳へ
投稿者:よっちゃんさん


小同心クラックを登ろうと友達と八ヶ岳へ。
久し振りに茅野からバスに乗り美濃戸口からテコテコと歩き出す。真冬とは思えぬ暖かな日差しの中、「今、二枚しか着てなーい」「エッー、本当?、でも、私も三枚だわー」。
フッと空を見上げると雲の全くない深い深い蒼い蒼い空が広がっていた。最近、絵を描くことに目覚めてしまった友と景色を楽しみながら、写真を撮りつつのんびりと上がって行く。北沢の流れの赤茶けた川床に柔かな陽が射し込み、キラキラと透けて輝き、白い雪をのせた岩や石とのコントラストが美しい。
「あー、大同心が見えてきたわ」と友の声。「ウーン、見える見える。ネー、木の枝が邪魔しない所ってあるかしら?」「もう少し行くとよーく見える処がある筈よ」。前回来たときとは大違いの景色に少々興奮気味の私。やがて鉱泉へ到着。
ザックをあずけ、スケッチに外へ飛び出す。スケッチブックは持って来ないと言う友に朝、電車の中で食べたお弁当の入れ物の身と蓋で二枚の画用紙代わりの紙を調達、二人して変りばんこにスケッチをする。
「ねー、こんなに天気良くて明日大丈夫なのかしら?」「予報によると明日から崩れるって言ってた気がするけど・・・」「エーッ、そんな事いわないでー」。でもあんなに蒼かった空も少し白っぽくなってきた。

 翌日は天気予報が当たってしまい、朝起きて外を覗くと小雪が舞っている。昨日の青空はどこかへいってしまった。取り付きまで行ってから先のことは考えようとひたすら歩き出す。樹林帯を抜けると、風、雪とも強くなってきた。前から三人降りてくる。小同心を登ろうとしたけど、一人の体調が良くないので降りてきたそうだ。
三人共、マツゲとマユに雪が積もり「ワー、なんだかヤギみたい」と思ってしまった。恐らく、私達も同じ風なんだろうな。大同心の基部を過ぎ右の方へいやらしいトラバースを始めた。一段
高い所をトラバースしてしまった様で非常に悪い。「これでは、落っこっちゃうな、私、マズイな」と思ったので戻る決心をした。大同心の南稜に取り付こうとしている人がいて、 「もう一段低いところを行けばよかったね」と教えてくれた。視界がこんなに悪くては無理なのかな、良く見えないから、あんなところへいったのかなと反省。今回はここまで、もう一度出直し。下りは速い、ゴンゴン鉱泉に向かって降りる。ザックもヤッケも白くなって到着。一休みした後、赤岳山荘に滑り降りる様に歩く、こんなに早く歩けるんだと思いながら。
友達の知り合いに会い、小淵沢まで車に乗せてもらう。タイミング良く10分程待ってあずさにのれた。「また、二月に行きたいね」と話ながら帰ってきた。
実は私、鉱泉で野田知佑さんの文庫本を無断で借りてきてしまった。何気なく読み始めたものが面白く、最後まで読みたくなったからだ。もう既に読み終えてあるので、何時でも返しに行ける状態だ。近々、返しに八ヶ岳へ行こう。

登山紀行文INDEXに戻る