滑走技術について

山岳でのスキー滑走技術について特別の技術があるわけではない。しかし管理されたピステとは違った危険が至る所に存在することを忘れてはならない。
先ず第一に雪崩を誘発するような滑走は慎むべきである。地形、雪の状態を良く見てルートファインディングに集中すべきである。
第二に転倒は大きな事故につながる場合が多いので避けるべきである。ゲレンデでは転倒も楽しいかもしれないがどんな危険があるか解らない山岳スキーでは場合によって致命的事故になる。先日谷川岳天神尾根をシール登行中に、上から滑ってきたスキーヤーが目の前で転倒しダイナミックに二転三転して倒れたままガスの中に消えていった。仲間もそれほど心配した様子もなかったが声をかけても応答がなかったため、慌てて捜しに向かっていた。ここは、転倒した場所からすこしは傾斜が一様だが、丁度ガスで見えない辺りから100m以上切れ落ちていたのだ、しかも下には大きなシュルンドが口をあけていた。見とおしがよく、切れ落ちた部分とシュルンドが確認できたならこのスキーヤーも安易に転倒はしなかったであろう。どうやら危機一発で事故を回避したようであった。
第三に日本の春山は雪の状態が一様ではないことを認識しておくべきである。とくに重い湿った雪ではターンをする際に腰、足に負担がかかりやすい。強引にターンしようとしたとたんにトップが雪にささり転倒、その結果は捻挫、骨折、脱臼といった結末になる。私がガイド中に御客さんが起こした事故はこのタイプが一番多い。大抵はゲレンデの感覚でスキーを回そうとするために起こっているようである。数年前、立山東一の越から田圃平へ滑走をしようとした御客さんが最初のターンで転倒した、声をかけても起き上がることができない。片足で立ちあがることは出来るが骨折とは違った痛がりようである。結局、股関節脱臼のため田圃平の大観峰下よりヘリコプターで富山の病院に搬送することとなった。先日の谷川岳熊穴沢での滑走のさいにも、基礎スキー技術の名手が捻挫してしまった。これも同じような転倒であった。重い雪ではジャンプターンをお勧めする、しかもストックは両手でつきバランスのよいジャンプターンをせひとも心掛けて欲しい。
以上、3点について記したがガイドが同行しているスキーツアーでは絶対にガイドより前を滑ることはしてはなりません。
これをしてはならない、あれをしてはならないと書くと山岳スキーとはなんと拘束の多いものかと思われるかもしれないが、それは違う。自然のゲレンデを限りなく自由に滑れる山岳スキーこそ本当のスキーの醍醐味を味わえるものと私は思う。管理されたスキー場で行うのもスキーではあるが、自然の大雪原でのスキーには想像力かきたててくれるなにかがある。

知っておくべき知識と行動

山岳スキーでは装備に工夫をしていただきたい。それは重荷での滑走はそれほど楽しいものではないからである。
ザック、滑走でのザックの重さは男性で10Kg以下、女性では8Kg以下にしてほしい。また、ザックは容量が同じなら細目で肘が当らないことが条件である。
ツウェルト、パーティでの必携装備に「ツウェルト」を是非いれておいてほしい。雪原でのツウェルトの張り方は、スキー板をクロスに立てツウェルトを結ぶことで容易に設営できる。吹雪の際にはこのツウェルトがないと休憩もままならないこととなる。
ワックス、山スキーでのワックスには基本的にベースワックス等を使用しない。シールの着脱を繰り返すため不必要なワックスは出来る限り塗らない。シールを外した際には必ず滑走のためにワックスを塗ろう。よってゲレンデスキーとは違い、ワックスも必携装備品なのである。


鋭意ページをつくります、しばらく御待ち下さい。

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